「上司から注意されるとすぐに落ち込んでしまう、ずっと考え込んでしまう」
「また失敗するのではといつもビクビクしています」
「こんな弱い心を強くする方法を教えてほしい」
「相手を言い負かす方法を教えてほしい」
と会社員の男性Fさん、25歳。
話を聴いているとどうも「鋼のように何が来ても折れない強い心」をのぞんでいるようです。
スポーツジムで筋トレをするように、カウンセリングで心を鍛えたいということです。
カウンセリングは、性格を矯正したり根性を叩きこむようなことをするのではなく、どんなときに落ち込むのか、どんな気持ちなのかを自由に出してもらい、自分の傾向や問題に気づき、自分自身が変化する意識をもてるようにサポートしていくものであること。
そもそも、落ち込みやく不安、悔しさ、辛さなどの感情が出てくること自体は、悪いことではないこと、生きているからこそ人それぞれの感情が出てくること、
などを伝えました。
Fさんは「とにかく早く即効方法が知りたい」を繰り返していましたが、自分の不安や悔しさなどの感情に焦点を当ててお話を聴く中で、少し落ち着いて、カウンセリングを継続していくことになりました。
「心のタフネスは、心を鍛えあげることではなく、
気分転換という心の柔軟さによってもたらされる」
(山崎房一)
という言葉が思い起こされます。