「もうなにもかもダメです・・・ 」
入社半年で会社を辞めてきたという20代前半の独身男性。
とても落ち込んで混乱しているようです。
「自分でも興味のあった建築関連の会社に入社でき将来の希望ももてていたのですが、この間、仕事に向いていないことや、自分の能力のなさを実感させられました。」
「先輩のいう専門用語についてけない、質問もできる雰囲気ではない。
上司からはやる気があるのか、気合がたりない!といつも言われる」
「そもそもコミュニケーション力がなく、同僚ともうまくしゃべれないし、言ってはいけないことをしゃべってしまう。
協調性もなく、融通もきかない、社会人としてついていけない。」
「食事ものどを通らないし夜も眠れない。
こんな未熟な自分は社会人としてやっていけないと思い、会社をやめました。
会社を紹介してもらった大学の教授にあわせる顔がない・・・」
話を聴いていると、自己評価が極端に低く、思い込みの部分がかなりありそうです。
更に職場の雰囲気もよくなさそうでもあるし、パワハラまがいのことがまかりとおっている可能性も感じられます。
建築の仕事への向き不向きとは別のことのようです。
もっと、自分のことや、職場環境を客観的にみて整理していくことが必要と思われます。
しかし、混乱している今、これを指摘してもなかなか受け入れられません。
まずは、会社を辞めることで自分の力で自分を守った事実を伝え、「それでよかった」と肯定すると、少しほっとした表情になりました。
ここからが次のステップへのスタートです。
ひどく落ち込んだり混乱しているときに、心に響くのはこの「無条件の肯定」です。
(この事例は、実際のケース内容を変更して書いています。)