book 「想像ラジオ」

「想像ラジオ」いとうせいこう 河出書房2013

今は、3.11東日本大震災から7年目の3月。

杉の木の上で亡くなった主人公が、想像という電波を通じでDJとして
リスナー(行方不明者)からのメッセージを受け取っていく。
メッセージを送り出していく。
すべてが想像、しかしとてもリアルに迫ってくる。とても重い。

「生者と死者は持ちつ持たれつなんだよ。
決して一方的な関係じゃない。
どちらかだけがあるんじゃなくて、ふたつでひとつなんだ」

「亡くなった人はこの世にいない。
すぐに忘れて自分の人生を生きるべきだ。まったくその通りだ。
いつまでもとらわれていたら生き残った人の時間も奪われてしまう。
でも、本当にそれだけが正しい道だろうか。
亡くなった人の声に時間をかけて耳を傾けて悲しんで悼んで(いたんで)
同時に少しずつ前に歩くんじゃないのか。死者とともに」
「たとえその声が聴こえなくてもだ」

とても考えさせられるというより、感じさせられる一冊。
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DJ番組なので、毎回ミュージックが贈られる。
その最後の一曲を紹介。
ボブ・マリーのラストアルバム「リデンプション・ソング」(救いの歌)

ボブ マーリー/Redemption Song《和訳》解放と救いの詩