うつ病再発を繰り返し、職場を退職してしまったYさん。
症状は回復してきましたが、なかなか再就職活動にとりかかれません。
早く再就職したいというあせる気持ちとともに
「どんな仕事があるだろうか」「仕事についていけるだろうか」「覚えられるだろうか」
「どんな人がいるのだろうか」「人間関係でうまくいいかなかったら」「またうつになったら」「会社が倒産したら」「収入が途絶えたら」
と心配や不安が頭から離れることがありません。
これまでうつ病再発を繰り返しながら、仕事をなんとか続けたにもかかわらず、退職せざるを得なかった悔しさ、情けなさ、挫折感は相当なものがあるでしょう。
そして今後の不安感を持つのも当然でしょう。
しかし、ここでこれらの不安の内容を冷静に見てみましょう。
不安には
①調べたり、考えたりしてわかること、
②調べたり、考えたりしても誰にでも分からないこと
があります。
「どんな仕事があるか」「その仕事の内容はなにか」は調べたり聞いたりすると、ある程度わかることが多いです。
「覚えれれるだろうか」は実際に仕事を始めるときにそのやり方を覚えるしかありません。
「人間関係がうまくいくか」や「会社が倒産するか」などは、だれが考えても、調べても分かりません。
このような、誰が考えてもどうなるか分からない不安は、次々と湧き上がってきますが、それを頭の中で考えてもかえって不安の渦に巻き込まれて出れなくなるばかりです。
不安が湧き上がることが悪いのではありません。湧き上がった不安の処理の仕方が問題なのです。
不安をしっかりと分別し、②の不安は頭の中に留めるのではなく、少し横に置いたり、棚上げする、などをイメージしてみてください。
すべての不安をすぐにこんな処理ができなくてもいいのです。
10個の不安が出てくれば、その内の1個でも棚上げできればいいです。1個ずつ増やしていけばいいのです。
これも、あせらずにやってみることが大切です。