<気づきのヒント2>「毎日ずーっと落ち込んでいます」

「辛い」「悲しい」「悔しい」「落ち込む」「不安」などのマイナスの気持ちは、一刻も早くきれいさっぱりなくなってほしいものです。
前回「0か100か」「白か黒か」と何事も極端に判断してしまう傾向はないかと、お話しました。

「1日中落ち込んでいた」と訴える方に、朝(あるいは昼)起きて、夜寝るまでの間どのように過ごしていたか、時間を追って詳しくみてもらいます。

その中で、①「落ち込んでいた」時とあわせて、
②「落ち込んでいたとは感じない」あるいは「そのことを忘れていた」時、も探してもらいます。

②は、短い時間でも、たまたまでもかまいません。必ずいくつか見つかります。
「落ち込んでいた時間」と「それを感じない、または忘れている時間」があることに気づきましょう。
つまり「1日中ずーっと落ち込んでいた」のではない事実が分かります。
1日単位でも、1週間単位でも、1ヶ月単位でも同じことです。

人は、辛いこと嫌なことの方が記憶に残りやすい傾向があります。
逆に「それを感じない、または忘れている時間」「少しほっとしていた、楽だった時間」の記憶は薄れてしまう傾向にあります。

辛いと感じている自分と、感じてない自分、両方合わせもっているのが自分です。
辛い時間の方が多いかもしれませんが、両方の自分を見てあげましょう。

辛さをなくそうなくそうと考えれば考えるほど、意識は辛いことでいっぱいになります。
それよりも「辛さを感じない、または忘れている時間」「少しほっとしていた、楽だった時間」に注目し、それを1分でも2分でも増やすには、なにをすればいいか考えてみましょう。
それが辛い時間を減らすことにつながります。