< 流産 > 喪失感
事務職の28歳女性、Kさんは心療内科通院中です。
先月に流産し実家で療養していましたが、体調も回復してきたので2週間前間から仕事に戻りました。
しかし、仕事中も人と話すことが苦痛に感じられたり、漠然とした不安感や落ち込み感がずっと続いています。
通勤途中で、赤ちゃんを抱いてる姿が見えたり、泣き声が聞こえたりすると辛くて、その場から足早に離れます。
休んでいる間、職場の周りの人たちに迷惑をかけたこともあり、がんばって出勤してきましたが、今週はあまりの辛さに休んでしまいました。
家では、一人で泣いたり、夜も眠られないこともしばしばあります。
赤ちゃんを産んであげられなかった自分、立ち直れない自分を責めてしまいます。
夫は「泣いてばかりいないで、前向いてがんばれ」と言い、つらい気持ちをなかなか分かってもらえません。
仕事はもう無理なのか、これからどう生きていったらいいのかとKさんは来談されました。
身近な大切な人を失うと、大きな悲嘆と自責感にさいなまれます。
この辛さを、少しでもわかってもらえる人の存在がとても大事です。
その中で十分に悲しみに浸ることで、次への力になっていきます。
喪失感は自然な感情ですが、長引くと不安感、孤独感、自責感などが出て身体的、精神的症状が悪化します。
TFTのトラウマや不安、自責感のポイントを用いてTFT療法を実施し、
「辛さ、胸の奥の苦しさが軽くなった」「仕事や家のことも少しやっていける気がする」という状態になりました。
今後、自宅や職場でもTFTを活用して気分の安定化をはかっていくこととしました。
◆この事例は、個人情報保護の観点から、複数の事例を組み合わせたり、年令、性別、職業などを変えたりして、実際のケースとは異なるものです。