<パワハラ PTSD>
Gさん(40歳、女性)は、1年半勤めたP社を退職、再就職の活動をなかなか始められないでいます。
長年、営業事務や経理事務を続けてきたGさんは、その経歴を認められP社に採用、事務全般を担当することに。
入社後しばらくしたころから上司の指摘が多くなり、そのうち毎日細かなミスを延々と厳しく指摘されるようになります。
分からないところを質問しても「自分で考えろ」と答えてもらえません。
がんばりやのGさんは、なんとか指摘されないようにやろうと努力しますが、
上司からは
「前の会社でよく仕事ができたもんだ」
「採用ミスだ」
「こっちの仕事が増えてしまう」
など直接仕事内容と関係のないことや、
「化粧が濃すぎる」
「声がわるい」
「おまえがいるとみんなが迷惑してる」
「給料泥棒」
など人格を否定するような言葉も飛び出してきます。
こんな毎日が続くと、さすがのGさんも、
家でもいつも上司のことが頭に浮かび、
夜も眠れなくなったり、食事も喉を通らない、
そしてはげしい頭痛や胸が息苦しくなってきます。
病院を受診し、体調不良を上司に訴えますが一切無視されます。
周りに相談できる同僚もなく、限界を感じて退職。
しばらく自宅療養して少しは落ち着いてきましたが、
突然上司のことが思い出され過呼吸や涙がとまらなくなったり、
悪夢を見ることもしばしばあります。
再就職活動を始めないといけないと考えるものの、
また次の会社でこんな上司がいたらどうしようと思ったり、
P社が窓から見える電車には怖くてどうしても乗れず、
動くことができません。
初めて相談に来られたGさんは、
会社でのことを思い出すだけで涙が出て息苦しくなり、
とても話をできる状態ではありません。
ゆっくり時間をかけてTFTのリラックスポイントのタッピング繰り返しようやく落ち着くことができました。
その後、数回のカウンセリングで、
①会社の出来事(パワーハラスメント)からのPTSD症状、
②外出、電車乗車の恐怖、
③上司への怒り、恐怖、
③今後の不安、
④身体的痛み
などじっくりとお話を聴きながら、
一つひとつの問題をTFTで軽減、解消させていきました。
そして会社での出来事も冷静に受け取れるようになり、
次の生活に向けての活動をはじめています。
◆この事例は、個人情報保護の観点から、複数の事例を組み合わせたり、年令、性別、職業などを変えたりして、実際のケースとは異なるものです。